借りぐらしのアリエッティ

観てきました。
アリエッティ


スタジオジブリ最新作です。
なぜかそこまで期待していなかったのですが、よかったです。


借りぐらしというのは、これからの社会を考えたとき、結構キーになると思います。


『人類を救う「レンタルの思想」―松井孝典対談集』 (松井 孝典 著)
という本もありますが、
カーシェアリング、シェアハウス、シェアモ
といったサービスの行先に、新しい社会を感じます。


自然との共生は、なんども触れられてきたテーマですが、
テクノロジーの発達以上に、
智恵を発達させる必要があるのではないかと思うのです。


身の回りにある、ささいなもの、
それを工夫して生きる。
人間に気づかれないように、
必要なものを借りてきて生活する。
アリエッティのお父さんの姿に豊かさを感じます。


世界が小さくなり、発展途上国と先進国の人の関わりが無関係ではいられなくなってきてますが、
それは人間社会のみにとどまりません。
地球という生態系と人間社会の世界も小さくなってきていますし、
距離が近くなってきています。


グローバル視点ではなく、
地球生態系視点が求められている、
といった意見もちらほら聞こえるようになってきました。


借りぐらしのアリエッティを観ていて、
僕たちもまた、借りぐらしだということを思わされます。
自分が購入した角砂糖を、他の動物が食べたとして、
それは泥棒と呼べるものなのだろうかと思います。
所有しているというのは、
人間社会のルールであり、
ほんとうは、それすらも地球という視点から見たら、借りものにすぎません。


映像やストーリーは、安心して見られる楽しさですし、
本作では音楽が印象的でした。
Cecile Corbelの主題歌も心地良く、楽しいです。
西洋のリズムがぴったりはまり、作品に奥行きをもたらしているように思いました。


もののけ姫ほどではないものの、
メッセージ性は強く、意外と重い内容なんですね。