『沈まぬ太陽(三)御巣鷹山編』

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)


ついに航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こる。


墜落に至るまでの、機長や管制官とのやり取りは緊迫したものが伝わってくる。
また、520名もの犠牲者を出した事故に対して、
どのような姿勢で向き合うのか、
胸をえぐられる思いである。


安全より営利を優先する企業のとる遺族への補償交渉。
現実的に事故の原因究明と遺族への補償は難しいとわかっているものの、
考えさせられる。


自分が当事者であったとして、どういった行動をとることができるのか。


マリコ 津慶 知代子 どうか仲良く がんばって ママをたすけて下さい
パパは本当 に残念だ きっと助かるまい 原因は解らない 今5分たった
もう飛行機 には乗りたくない どうか神様 たすけて下さい
きのうみんなと 食事したのは 最后とは 何か機内で 爆発したような形で
煙が出て降下しだした どこえどうなるのか 津慶しっかり た(の)んだぞ
ママ こんな事 になるとは残念だ さようなら 子供達の事 をよろしくたのむ
今6時半だ 飛行機は
まわりながら 急速に降下中だ 本当に今迄は幸せな 人生だった と感謝している”