『アニマルスピリット』

アニマルスピリット

アニマルスピリット

副題は、人間の心理がマクロ経済を動かす。


既存の経済理論だけでは、経済の変動をとらえることはできないといいます。
近年、書店などでも人間の心理や行動に着目した行動経済学の本が増えてますね。


さて本書。
この本をほんとうの意味で味わって読むには、
自分には経済学の知識がなさすぎるかな、と感じました。


現状のマクロ経済学の理論がどのようなものかわかっていないと、
本書の内容は、あたり前のことじゃないかと、するすると流れていってしまいがちです。


不動産バブルなどをとってみても、
安心や不安をもとに合理的とはいえない選択や行動をしています。
そう考えると、人間の安心や不安といった感情を含めたマクロ経済のモデルを作成するのが難しいのでしょうね。


本書を読んで、逆に、
経済学の世界が描く合理的な世界がどのようなものか、
知っておきたいと思うようになりました。


“なぜ1933年に職のある人が75%もいたのか、と尋ねる人はほとんどいない。むしろ普通の質問は、なぜ労働力の25%が失業していたのか、ということだ。われわれの頭の中では、マクロ経済は完全雇用が実現していないときに問題となるものだ。そうした完全雇用が実現できないというのは、まちがいなくアダム・スミスの古典モデルからの逸脱なのだ。”