『KAGEROU』
- 作者: 齋藤智裕
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/12/15
- メディア: 単行本
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このテーマを、この表現方法で挑んだことに、
著者の覚悟を感じる作品でした。
批判が生じることをわかっていて、
書ききった作品であることは、読めばわかります。
文章や、表現方法のすごさなどといったものは、ありません。
でも、だからこそ、無駄がなく、
作者の主張がストレートに流れてきます。
ここまで余分なものがない小説も久しぶりに読みました。
現代社会が抱える問題や、痛み、生と死、
といった重く深刻なテーマを、
軽快に表現しつつ、核心ははずさない。
“『生きていればきっといいことがありますよ』とか世間の連中は判で押したみたいに言うけど、そんなのただのキレイごとだよ!もしそれでこの先なにひとつ『いいこと』がなかったらいったい誰が補償してくれんの?”