『KAGEROU』

KAGEROU

KAGEROU


このテーマを、この表現方法で挑んだことに、
著者の覚悟を感じる作品でした。
批判が生じることをわかっていて、
書ききった作品であることは、読めばわかります。


文章や、表現方法のすごさなどといったものは、ありません。
でも、だからこそ、無駄がなく、
作者の主張がストレートに流れてきます。


ここまで余分なものがない小説も久しぶりに読みました。


現代社会が抱える問題や、痛み、生と死、
といった重く深刻なテーマを、
軽快に表現しつつ、核心ははずさない。


“『生きていればきっといいことがありますよ』とか世間の連中は判で押したみたいに言うけど、そんなのただのキレイごとだよ!もしそれでこの先なにひとつ『いいこと』がなかったらいったい誰が補償してくれんの?”