『太陽のパスタ、豆のスープ』
- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/01/26
- メディア: 単行本
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まさかの婚約解消。
あすわはどうしようもなく打ちひしがれる。
その闇の中にあって、彼女に希望をもたらしたのは・・・。
こうありたいと願うことこそが、じぶんをつくっていく。
じぶんが選ぶもので、じぶんがつくられていく。
日常が、それも、あたたかくさりげない日常が、
丁寧に描かれている。
じっくりコトコトした豆のスープも、
気持ちがいいくらい創造性にあふれた太陽のパスタもいい。
こうした“料理”を
おかしいなんて笑えないはずだ。
選ぶことを放棄した、ファストフードに追われる日々に、
あたたかみはない。
自分だけの料理をつくりたい。
それも、ゆっくりコトコト、鍋を使ってが、いい。
毎日、毎日。
その力強さとあたたかみに勝るものはないのだ。
じぶんは、何でできているのか、よく考えたい。よく味わいたい。
“「かわいがられて育った子は、すでに自信を持っているの。自分で気づいていないだけ。あすわがそこにいていいって無条件に思っていられるのは、自信があるからなのよ」”