『方丈記』

方丈記 (岩波文庫)

方丈記 (岩波文庫)

  

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世中にある人と栖と、又かくのごとし。


改めて読んでみると、
冒頭のことばのなんと素晴らしいことか。
思わず、声に出して読んでみたくなる文章である。


無常というものを思う。


長明は、世の流れ、主流から外れた人であった。
悟りの境地に達することができない人であった。
そんなことを聞いたら、
なんか余計に無常というものを感じた。


いいのだ。これはこれで。


“事を知り世を知れれば、願はず、わしらず。ただしづかなるを望とし、うれへ無きを楽しみとす。”