フランダースの光 ベルギーの美しき村を描いて

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている
フランダースの光  ベルギーの美しき村を描いて
を観てきました。


絵の中に光を表現する方法は多々あれど、
エミール・クラウスのリュミニウス(光輝主義)と呼ばれる表現方法は
初めて目にしました。


印象派の筆致とはまた異なり、
風景の中に、これほどまでにみずみずしく、躍動的に光を与えることができるのか、
とぞくぞくしました。


第1章の精神的なものを追い求めて
というコーナーの作品が、
予想に反してあたりでした。
エミール・クラウスの作品目当てでいったものの、
象徴主義と呼ばれる第1章の作品を観ているときから、どきどきしてました。


丁寧に筆致がわからないほど描ききった風景画であり、
作品を通して主題がブレていないからでしょうか。
きれいだな、以上に訴えかけてくる風景画は新鮮でした。


ヴァレリウス・ド・サードレールの作品も色遣いが結構好きです。


まあ、でもでも、一番良かったのは、
エミール・クラウスのピクニック風景。


作品全体がなにより明るい。みずみずしく、静的な躍動感に富んでいる。
なんら動きがあるわけではないのだけれど、
光があちこちで踊っているような楽しさがあります。


逆光の中に人物を捉える作品が特徴的で、
人物への光のあて方は、すごいの一言。
中心で子どもを抱えた女性が佇んでいるのですが、また目を引くんですよね。


光のゆらぎを多様な色彩で表現した印象派の作品(とくにモネ)が好きですが、
自然そのものを写実的にとらえつつ、光を表現した作品もいいですね。


いろんな作品を見ていたら、
スカッと広がった秋空を眺めに、見渡す限りの平原に行きたくなっちゃいました。
広く牧歌的な大地で、秋の空と、秋の風と、草木と虫の音を感じたくなります。