『眠りの森』
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/04/03
- メディア: 文庫
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加賀恭一郎シリーズ、2作目。
美貌のバレリーナが男を殺したのは、
ほんとうに正当防衛だったのか?
殺された男の目的は何だったのか?
バレエ団に隠されていうものとは?
悲しい事件だと思う。
人が人を殺してしまう動機、というのは、案外こういうものなのかもしれない。
ミステリーとしても面白い。
さりげなく、ヴァンダインの『Xの悲劇』のことが触れられているが、
これはうまいなぁ、と思った。
『Xの悲劇』の描写しかないが、
その記述があることで、
後で『Yの悲劇』のトリックを思わせるものが出てきた際に、
こういう風にかけていたのか、と楽しませてもらえた。
これらのミステリーを知っていた分、余計に楽しめたかな。
“助教授の言葉に加賀は心の中で頷いた。ある推理小説を思い出したからだ。その小説の中に、コルクに数十本の針を刺して栗のイガのようにし、その先にニコチンの濃縮液を塗ったのち、殺したい相手のポケットに入れておくというトリックがあったのだ。ポケットに手を入れた途端に毒針で指を刺して死ぬというわけだ。”