『食堂かたつむり』

([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)

([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)


同棲しいていた恋人にすべてを持ち去られた倫子は、
山あいのふるさとに戻る。


そこで、一日一組のお客様だけをもてなす、
決まったメニューのない食堂を開く。


あたたかく、
じっくりとゆっくりと手間ひまかけて作られる料理は、
人々を魅了します。


おいしいごはんを食べたくなりますね。


“お客さんの手元には、食後酒のグラッパが置いてある。その間に、外の冷たい空気を利用して、アイスクリームを作ろうと予定を立てていた。食堂かたつむりから一歩外に出たとたん、骨の髄まで瞬間冷凍されそうなほどだった。辺り一面を、冷たい空気が満たしている。
さっそく、材料を入れたステンレスのボウルを氷水の中に入れ、その中で泡だて器をめいっぱいの力で素早く動かす。見上げた空いっぱいに、大小幾多の星達がキラキラと無言でまたたいている。
幸せだった。”